カウボーイビバップが何故「あんな」作品になったのか

   
     
ストーリー

Netflixで絶賛配信中!

ということで実写版カウボーイビバップが賛否で大変なことになっている

ということを聞いたので、葬儀の意味も込めて視聴。

なお、本記事につきましては、著作権的な部分で画像はほぼ使っておりません。

あしからず。

 

総評

暇なら見たらいいと思います。

しかし、本編のもう一つ大きな問題が、1話が長すぎること。

ドラマとしてみるなら45分程度では普通でしょうが、それにしたって

内容が微妙なので、視聴に耐えられない。

 

カウボーイビバップは、幻の最終話 よせあつめブルースというタイトルのように

毎話毎話のつながりが薄く、各エピソード事に作品の色を変え、視聴者に作品に対するイメージを大きく変えていきます。

実写版カウボーイビバップの大きな過ちは、視聴者に分かるように終わりに向けて、全ての話を連結させてしまったことであり

本編で描かれなかったスパイクの過去

ビシャス・ジュリアとの関係

そして、組織(レッドドラゴン)を描いてしまったことです。

 

カウボーイビバップという作品は、ビバップクルーが遭遇した事件を視聴者が観ている、という作品であり

キャラクターの内面を除くことは一切できません

※この作品では、ほとんどと言っていいほど、キャラのモノローグがなく

 内面を描かず、キャラの発する言葉、態度で読み取る作品です。

 

キャラクターの心情は、あくまでキャラクターのものであり、視聴者が推し量れるものではない

それを理解せず、シーンに落とし込み、 言葉にし、 説明した結果が実写版があんな作品になった原因だと思います。

まあ、よほど好きじゃないと見ない、はっきり駄作でした。

 

 

オープニング

カウボーイビバップと言えば何か?と聞かれれば

アニメ版を観た人であれば十中八九言うのが「Tank!」

当時リアルタイムで視聴していた世代には、かなり衝撃的なオープニングであり

イントロ3秒で、なにかすごいものが始まったぞ…と釘付けにされます。

 

実写版でも、ご多忙にもれずオープニングにTank!を取り入れ、アニメ原作風の絵作りをしたわけですが

これがとにかくダサい!

※youtubeに比較動画もあるので見ていただければわかります。

 

まず、絵がダサい

アニメ版オープニングの良さは、オープニングで完結していること

にあると思っています。

というのも、見ればわかりますがオープニングで分かることは

戦闘機が出ることと、4人のキャラクターが出るということ

そして、音楽がかっこいいことだけ

一切本編について触れていません。

 

しかし、実写版のオープニングに関しては、情報量がとにかく多く

現代的、商業的な絵作りになっており

原作再現してみましたよ、という目配せがうかがえます。

※ジェットの小走りは、見た瞬間真顔になりました。

 

また、背景のカタカナもダサい

確かに英語圏の視聴者からすれば、アニメ版での背景に流れる英語が

日本人の着る意味不明英語Tシャツのようなダサさを感じている可能性もありますが

にしたって、全てカタカナにしたのは頭おかしいんじゃないか、と言わざるを得ません。

背景の英語はあくまで装飾であり、作品そのものを指すものではないはずであり

また、作品の世界観も人種のサラダボールどっこい様々な国の人が現れる訳で、そんなことをするのであれば

背景を多言語にする、などやりようもあるのではないかと思います。

 

本編

さて、散々言ってここから本編に入るのですが

本編についても色々言いたいことがあります。

まず、本編冒頭

スパイクとジェットが強盗を捕まえる、というシーンですが

戦闘シーンでかかる曲が「What planet is this!」

劇場版で全ての謎が真実になり、ビバップクルーが動き出す時に流れる曲で

スパイクの搭乗機ソードフィッシュと戦闘機の戦いや

飛行場のコミカルなやり取りなどが曲とマッチしていて

カウボーイビバップが音楽を前提に物語やシーンが作られた作品ということがよくわかります。

 

実写版はまさかのこんな劇場版を代表する曲を

まさかの冒頭の1シーンに1フレーズだけ使ってみたわけです。

この瞬間に「あ、なんか目配せが多いなこれ」という感じと

「何故この曲を使ったのかが分からない」という2つの思いが出て嫌な予感がするのですが

その予感がどんどん現実味を帯びてきます。

 

スパイクと言えば、つかまりたくない賞金稼ぎのトップ2の1人な訳ですが

※アニメ版参照

器物破損や慰謝料などの請求で賞金が減るという、1話でのジェットのやり取りが出てきますが

ここにきて、まさかの改変

 

ジェットがバツイチ子持ちになりました。

 

ジェット・ブラックという男は、ハードボイルドを気取っちゃいるが、それを隠し切れない面倒見の良さや

コメディリリーフとしてのちょっと抜けた叔父さん、っといったキャラですが

元I.S.SP(宇宙FBI的組織)ということもあり、仕事にはとことん厳しい男

そんなキャラでした。

※本編10話の昔の恋人を追跡するシーンと、21話はジェットを語るうえで外せないシーンです。

 

さて、そんなジェットが子持ちになってどうなったかというと

元同僚に妻を寝取られ、賞金が少ないからスパイクにキレる

そんな、原作の渋い大人の姿はどこへやら、

食らいついたら離さないブラッグドッグが

読めと子供に逃げられたルーザードック(負け犬)になった、という大変身を遂げました。

 

見てて辛かったです….

 

しかも、特に許せないのが、ストーリー序盤で

スパイクがジェットに対し義手の再生手術の話をします。

 

もう、この時点でこの作品はダメだと思いました。

 

多分、ジェットは義手である、ということを視聴者へ教えるためのセリフだったのだと思いますが

このセリフ自体は、元々は後に登場するフェイがジェットに問いかけるものです。

 

それは、ジェットとの関係性が薄い新参のフェイだからこそ出来る問いであり

スパイクがこの質問してしまうと、スパイクとジェットの時間的関係性が一気に薄まってしまいます。

しかも、1話でフェイが登場するため、結局このやり取りはスパイクでやる必要はない

という、説明のためにだけ作られたシーンになっている訳です。

 

カウボーイビバップという作品自体は、説明を極力排除されており

双方が把握している情報を一々説明したり、聞いたりしません。

その為、視聴者視点で見ると、疑問点が多く発生するのですが

その疑問点が、スパイク達に関わり合いがない、もしくは、本作品に生きるキャラクターの常識な訳で

スルーされることが多い訳です。

 

さて、話を戻しましょう。

本編1話はアニメ原作1話と同じ、レッドアイという薬を巡るお話

大まかな展開は同じなのですが、ここでも様々な改変が加えられています。

 

フェイの登場

1話からフェイが登場します。

しかもなんというか、すごーく直情的になっています。

いや、確かに原作でも、 (設定上仕方ないですが) 直情的なキャラな訳ですが

思慮がないキャラに見えてしまう、魅力があるかと言われれば微妙

あと、近接戦闘しすぎ

金のために手段を択ばないけど、非情さが捨てきれない女性だったと思ったんですが

解釈が違ったようです。

 

というか、全編こんな感じでキャラの改変が何かしらあります。

 

変更点

・アシモフの死に方が変わっているため、カテリーナの心情が理解不能

・スパイクはカテリーナを助けようとするため、あなたのお仕事は?ってなる

・とにかく結末に向けての1話にするため、1話から組織(レッドドラゴン・シンジゲート)の話が出る

・組織でのスパイクに変なあだ名がプラス

・1話からビシャスとジュリアが登場

と、様々な改変があります。

 

シーンがとにかくダサい

カウボーイビバップ本編の見所でもある、アクションシーン

スパイクの素早いジークンドーの動きと、戦闘機による動きもこの作品の見所ですが

戦闘シーンは最悪の一言です。

どんな作品でもアクションシーンも例にもれず、見せ場の一つな訳ですが

・全部チープでダサい!

・格闘シーンは、ただ連続パンチポコポコ当てて殴るだけでスピード感0だし

・銃撃シーンも隠れて進んで撃つだけなので、面白みがない

また、それに加え

キャラクターのやり取りも面白みがない

1話ラストのツキジめいた場所で、ビシャスが部下を切り殺すシーンで大爆笑

  

とまあ、言いたいことは山ほどある作品なので、興味をもしお持ちの方がいれば是非

あと、絶対日本語吹き替え版で観ることをお勧めします。

日本で聞けることで唯一ビバップ要素を補填できます。

 

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