NURO光と言えば、当時10Gbps(最大10Gの回線速度)という謳い文句で売り出していた回線で、今はどちらかというと、安く使えることを前面に押している印象です。
さて、そんなNURO光ですが、Twitter界隈などでは、NUROが遅い!という、コメントをよく見かけます。
私は以前回線会社のヘルプデスクに務めており、このサイトでも回線について記事を上げていました。
そんなこんなで、何故、10Gbpsを謡っていたNURO光が遅いのか
その改善方法はないのか!?というのが今回のお話です。
※今回文字多めです。
基本編:回線の仕組み
まず、回線の契約をする際には必ず「回線」と「プロバイダ」と契約をする必要があります。
NURO光で言えば、「NURO光(回線)」と「So-net(プロバイダ)」がこれに当たります。
※この2つは必ずセット契約。変更不可。
そして、回線の仕組みを説明するのでよく使われるのが「電車」です。
回線
まず、回線という線路があって、その上をプロバイダという電車が走っているというイメージして下さい。
線路(回線)は、各会社が自分の付けたい名前を付けること (コラボ事業と言います) が出来ます。
しかし、回線の大本を管理しているのはNTTです。
※一部会社(J:COM)は独自回線のため、例外あり
しかも、回線方式(光回線・ADSL回線等)より速度の違いは一部ありますが、原則速度は一律で、性能(速度)に差はありません。
線路は速度に影響しない、では速度に影響するのが何か、と言われれば当然「電車(プロバイダ)」です。
プロバイダ
プロバイダは各社が運営する電車本体です。
電車(プロバイダ)の目的は、線路(回線)の上を走って目的地まで運ぶこと。
電車は、各社の運用電車の車両数によって性能(速度・快適さ)が変わりますが、この性能に影響を及ぼすものがもう一つ
それが、利用者です。
通勤ラッシュの電車をイメージすれば分かりやすいですが、利用者が多ければ、当然、乗車率が上がります。
乗車率が上がれば、人の出入りにかかる時間や、出せる速度の限界などが生まれ
目的地(Webサイト・遅延・ダウン(アップ)ロード速度)が変わっていきます。
これが「時間によって速度が遅い」と言われる大きな原因の一つです。
ちなみに、電車は「サーバー」を指します。
回線速度の速い遅いは、プロバイダのサーバー運用数でが決まるため
使用料金が安い・利用者数が少なすぎるプロバイダは遅い傾向にあります。
何故NURO光が遅いのか
上記で、説明した内容を踏まえ、何故NURO光が遅くなってしまったを、その可能性を考えてみると
安売りして「人が増え過ぎた」
ここが大きな要因の1つだと思います。
NURO光は、現在11か月使用料を2,750円割引+工事費分割費用、という割引を行っています。
この割引を様々な媒体で宣伝した結果人が増え、パンパンになった電車で運用しているため
ゴールデンタイム(19-22時)に遅くなってしまう、という現象を引き起こしています。
※回線は契約者がいないとサービスとして成り立たないが、契約者が多ければサービスが成り立たなくなるというイメージです。
速度の改善方法
とまあ、結局一番はこの部分が知りたい部分だと思うのですが、解決方法は2つだけです。
- IPv6へ配信方法を変更する
- 設備投資を待つ
- 別のプロバイダと契約する
IPv6への変更
また新しい言葉が出てきましたが
IPv4とIPv6という言葉があって、IPv6は速度が速い
ということだけ覚えておけばいいです。
NURO光に加入していて、自分の状態を確かめたい場合は、下記より確認が可能です。
So-net IPv6アドレス対応について
https://www.so-net.ne.jp/common/IPv6/
ここでIPv4と表示されたら、ひとまずso-netへIPv6への変更を申し込みましょう
※変更料金などは無料
後日、変更完了の連絡がくるため、必要な設定を行えばIPv6での回線利用が可能になります。
設備投資を待つ
IPv6でも改善しない、というそこのあなた
正直、ほぼ打つ手はありません。
So-netのサーバー設備が現状利用者と釣り合っておらず、また、数年続いている半導体不足でサーバー設備の早期拡張の見通しもない
ここで終わりです。あと数年はゴールデンタイムにイライラしながら回線を使い続けるしかありません。
別プロバイダとの契約
そんな悠長に待っていられない方には、最終手段。
別の大手プロバイダと契約しましょう。
残念ながら、NURO光と一部回線(softbank光)などは、プロバイダとのセット契約のため、プロバイダのみ解約する、ということはできませんが
身銭を切って、別のプロバイダ(OCN等)と契約する、という手段もあります。
※契約の際はIPv6についての確認も忘れずに。
なお、NURO光は別プロバイダと契約できない、という記載が一部ありますが
NURO光ではSo-net以外のプロバイダと契約は出来きないが、別プロバイダと契約して別プロバイダの接続情報でネットにつなぐことはできます。
この方法の一番のデメリットは、プロバイダを契約でお金がかかることと、必ずしも速度が改善できる保証がない、ということです。
現状、速度については品質の保証ができないという点や、回線の使用場所(戸建て・マンション/中心地・僻地)や、使用機器などで速度は大きく変わるため
最終手段として、検討するのがいいと思います。
最後に
最初の話に戻しますが、もしNURO光を料金ではなく
10Gbpsという速度を重視した上で検討されている方に、お伝えしたいことがあります。
まず、10Gbpsを受信できる機器を用意するのに、数十万円の投資が必要です。
ルーターだけで5万円前後
合わせて、10Gbpsを受信できる、 マザーボード単体で8万円以上の物が搭載されているPCが必要になります。
また、10Gbpsを想定したサービスが現状存在していません。
オンラインゲームでも、1-2Gbpsあれば問題ない状態です。
その為、10G高速回線、という言葉そのものが無用の長物であり、無意味な存在になっています。
※NURO光発足当時(2015年)は、4K配信などで通信料が増えることを想定しての10Gbpsでしたが、7年経過した2022年の時点でも、確実に必要、という状況には至っていません。
現状、10Gbpsを受信できる状態自体が趣味の範囲という状況なので、安さで選ぶならNURO光でもいいですが、面倒の少なさ、対応の速さなどを考慮して
大本のNTT(フレッツ光)と契約するのが一番楽である、というのが回線事業全般を見ての結論です。
乱立する回線事業も一先ずは落ち着きを見せた感じはありますが、正直、使用する上での問題は上がると思うので、今後も記事にはしていきたいと思います。
というわけで終わり!